なにげなく使ってるフロントライン。
実はなにげなくではなく、みんな心配しながら使ってますよね。
知ってるようで知らないフロントラインという薬品を調べてみました。

前回のカットで、トリマーさんからウチはスプレーを使ってる、
これは使い勝手がよくって、効果も高いですよって。
スプレーかぁ、なるほどね、でも舐めるんじゃないの?大丈夫?
その前になんで首の後ろに塗った薬が1ケ月も効くの?
もうフロントラインの疑問が次々…
そして、いよいよ前回の投薬から1ケ月が過ぎました。
さあ、フロントラインを使う?スプレーにする?それともやめる?
フロントラインの主成分は【フィプロニル】です。
神経伝達物質のGABA(ギャバ)の作用を阻害して、ノミなどを駆除します。
農薬にも利用されるので、農薬=劇薬・毒薬との主張がありますが、そうではないでしょう。
効果と副作用(リスク)のバランスをみることが大切だと思います。
含有量は公式HPには記載がなく、製品パッケージの主成分表示は次の通りです。
・フィプロニル100ml中10g
・エチルジグリコール/エタノール:これは溶剤でしょうね
フロントラインが肩甲骨の間に滴下されると、成分が皮脂に貯えられます。
そして皮脂とともに24時間以内に成分が全身に届き、放出されます。
なので投与後24時間後には、シャンプーしても影響がありません。
そっか、ダニが犬の首の後ろに集まるから、そこに滴下するわけじゃないんだぁ。
これ、犬の汗腺構造です。
人間とずいぶん違うんですねぇ、詳しくはまた改めて調べてみます。
ただ、犬に汗腺はないというのは誤りみたいですね。
アポクリン汗腺は人間では脇の下などに分布する特殊な汗腺です。
犬ではエクリン腺が肉球だけにあるんですね。
ただ、皮脂腺にフロントラインが留まるとしても、これがなぜ全身に回るか分かりません。
血管に吸収される以外にないんだけどなぁ。
農水省動物医薬品検査所/副作用情報データベースに事故が記載されています。
http://www.nval.go.jp/asp/se_search.asp?
フロントラインで全11件、うち犬は6件(うち2件はフロントラインプラス)です。
死亡例も2件ありますが、農水省が因果関係を認めたのは2件で、いずれも投与部位を舐めた可能性があります。
これが実際に起こっているすべてではないでしょうが、案外と少ないですね。
そして投与部位を舐めるとトラブルにつながるようです。
【参考】
・トイプードル:♂・6月齢・3.56kg⇒よろめき、不安、流涎/投与部位を舐めた可能性あり
・チワワ:♂・6月齢・2.20kg・よろめき、起立不能、痙攣など/投薬直後に犬が舐めた可能性
・その他の小型種:♂・3歳・35kg⇒後肢の疼痛/2年前まで投与、因果関係なし
・ウェルシュコーギー:♂・4歳・17.706kg⇒斃死/同時投与の8種混合が疑わしい
・その他の中型種:♀・11歳・8.0kg⇒虚脱、てんかん性発作、呼吸促迫⇒高齢性の心疾患等か
・シーズー:♀・12歳・6.000kg⇒斃死、嘔吐/因果関係がないとはいえない

LD50(半数致死量)という指標があります。
化学物質の急性毒性を示す値で、ラットなどの哺乳動物100匹のうち50匹が死ぬ化学物質の量です。
・急性経皮 ラットLD50 :♂♀ >2,000mg/kg体重
・急性経口 ラットLD50 :♂ 92mg/kg体重 ♀103mg/kg体重
犬2〜10kg用1ピペットの量は0.67mlです。
フィプロニルの含有量は100ml中10gなので、1ピペットに67mg含まれます。
ふぅは2.4kgですから、全量投与しても 急性経皮 LD50:4800mg に対して十分な余裕ですね。
でも、急性経口皮 LD50:247mg に対しては、3.6倍の余裕しかありません。
舐めるのは危険だと分かりますね。

これはどう考えても変でしょう。
体重あたりで投与量は変えるべきだと思います。
フロントラインはせめて2kg未満用・2〜4kg用・4〜10kg用と分けてほしいものです。
ふぅは2.4kgなので、1/4〜1/2量だけ投与して残りは捨てています。

これもメーカの公式HPには一切成分記載がないのですが、ネットショップの記載を見ると、犬と一緒です。
【成分・分量】100ml中フィプロニル 10.00g
猫用は体重区分がなく、1ピペット0.5mlです。
犬2〜10kg用1ピペットの量は0.67mlですから、この75%ですね。
2.4kgのふぅのはちょうどいいサイズです。
猫用と犬用では溶剤が違う、という情報があります。
同じくネットショップには、猫用に次の記載があります。
●アルコール性の製品ですので、揮発性が高くすぐ乾きますので、水に濡れるのをいやがる猫でも平気です。
これは犬用にはない記載です。
猫には皮脂が少なく、犬のように皮脂で薬剤を全身を行き渡らせるのではなく、猫に合った方法を採用している、という記載がありましたが信頼性に欠けます。
この件、よく分かりませんでした。

フロントラインプラスはノミの卵の孵化・発育まで阻止するために成分を追加しています。
【(S)-メトプレン】です。
ノミは卵→幼虫→サナギ→成虫と変態を繰り返します。
卵はいったん犬から離れ、幼虫やサナギを経て再び犬につきます。
なので、ノミを殺しても卵は部屋の中に飛散し、再び成虫になって犬につくのです。
メトプレンは昆虫成長制御剤のひとつで、昆虫の変態や脱皮をコントロールしているホルモンのバランスを狂わせて、昆虫の脱皮や羽化を妨げ、死に至らせる殺虫剤だそうです。
昆虫の特定の時期だけに作用し、哺乳類に対する毒性がほとんどなく、安全性の高い薬剤だといわれます。
・経口 ラットLD50:♂♀ >20,000mg/kg体重
フィプロニルの経口 ラットLD50 :♂ 92mg/kg体重 と比べて格段に安全ですね。
ノミの成虫を殺すフィプロニルもこのメトプレンのような薬剤で構成してほしいものです。
そういうノミ・ダニ駆除剤はないのかしら…

フロントラインスプレーの主成分はフロントライン スポットオンと同じです。
ただし、濃度はスポットオンの2.5%しかありません。
・フィプロニル100ml中 0.25g(スポットオンは100ml中 10g)
濃度が薄いとはいえ、犬が舐めた場合、ふらつき・流涙・虚脱・心速拍・発熱・嘔吐・食欲不振の症状を示す場合がある、と明記されています。
この原因は溶剤に起因するアルコール様中毒症状だとのことです。
体表が乾くまでは舐めないように注意が必要です。
やはり、メインの駆除剤としてではなく、お出かけなどの際の補助として使うべきものかなと思います。
舐めることにリスクがあります。

フロントラインの結論は、やはりこの薬はリスクが高いということですね。
舐めさせてはいけません。
しかし、舐めなければ安全なのか疑問は残ります。
ただ、ダニが介在するバベシア症などの重篤な病気を予防する上で現時点では
最も信頼できる薬剤です。
『リスクも大きいが効果も高い予防薬』ということですね。
これからもふぅの願い、もっと安全な駆除剤を探してやりたいです
あっ、今、フロントラインが安いですね(半額近い…)。
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